今日の散歩道(2024/05/09):桐の花

 

久し振りに青空が拡がり陽光が降り注いでいますが、寒気の南下で季節が逆戻りしたような、冷たい風が吹き抜けています。

今から2~3代前まで、農家では女児が誕生すると、桐の木を植えて結婚する際に、その材を使って嫁入り道具のタンスを作る風習が各地にありました。

桐は成長が早く、20年位で高さ10m、幹の径は50cm位に育ち、古くから良質な木材として使われ、軽くて湿気を通さないので、タンスや下駄の材料に用いられて来ました。

花が咲き実が熟すると、2枚目写真の下部に見える様な種鞘が出来るのですが、その中には大量の種子があり、風に乗って飛び散るので田舎の未利用地や谷筋には野生化した桐の木を沢山見受けますが、私の住む地域では図書館横のこの一株だけです。

桐の木の原産地は中国南部、中国では「神聖な木」として尊重され、日本への移入は奈良時代、花の様子が荘厳、花色が高貴な紫色なので神聖な木と見なされ、家紋や紋章に使われてきました。

天皇家も当初は桐紋で、その後菊紋を併用、織田信長 豊臣秀吉は五三の桐を使用、日本政府の紋章も桐紋で首相会見の演台の紋章に使われ、他には五百円硬貨やパスポートにも桐紋が使われています。

咲く花には強い芳香が漂います、若し身近に落下した花が有れば、匂ってみて下さい。

 

山仲春男

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